コンテナできくらげ栽培を始める方法~必要な設備と機器をご紹介~

2023/06/26

きのこ栽培システム

椎茸やきくらげを始めとするきのこ栽培は、少ない面積でスタートすることができ、安定した収入を見込めるため、新規事業として検討を始める方が増えています。中でもコンテナを使ったきのこ栽培は小規模から始められる上に増設することができると近年注目が高まっています。
そこで今回は、コンテナを活用してきのこ栽培を始めるメリットや必要な設備について、きくらげ栽培を例にご紹介します。

きのこ栽培に適したコンテナとは

一般的なきのこの菌床栽培では、建屋やビニールハウス内で栽培しますが、実はコンテナ内でも栽培することができます。コンテナの中でも海上輸送用のコンテナ(リーファーコンテナ)は、通常のドライコンテナとは異なり、野菜や果物、肉、魚介類などの生鮮食品を冷凍・冷蔵輸送するために使用される特殊なコンテナです。断熱材で囲われており、気密性が高く一定の温度を保つことができます。そのためきくらげを始めとしたきのこ栽培におすすめのコンテナです。

サイズは20フィート(奥行約6メートル)と40フィート(奥行約12メートル)の2種類あり、1コンテナ当たり20フィートの場合は約380個、40フィートの場合は約880個の菌床を栽培することが可能です。

コンテナできのこを栽培するメリット


リーファーコンテナで栽培するメリットには大きく2つあります。1つ目は、温度や湿度をコントロールしやすい点です。リーファーコンテナは先ほど挙げた通り、周りの環境に左右されず庫内の温度を保つことができるため、きのこ栽培に適した環境を保つことができます。
2つ目は、災害に強い点です。リーファーコンテナは、本来海上輸送を目的としているため、激しい揺れや強い風雨など過酷な環境に強い構造になっており、台風や地震などの自然災害で損壊するリスクを避けることができます。


コンテナを導入する際の注意点

  • 設置場所へ運搬するまでの道幅が狭い場合、搬入が難しい場合があるため、事前に搬入経路の確認を行いましょう。
  • リーファーコンテナは、メーカーによって異なりますが最大総重量が約4t(40フィートの場合)になるため、アスファルトやコンクリートで舗装し、強固な地盤の上に設置しましょう。

きのこのコンテナ栽培に必要な設備と機器


きのこ栽培を始めるためには、リーファーコンテナ以外で次のような機器や設備が必要になります。きくらげ栽培を例に見ていきましょう。

●栽培棚
コンテナ内の空間を有効活用し、多くの菌床を設置するために栽培用の棚が必要です。壁側に設置する片面タイプ(1列)の栽培棚とリーファーコンテナの中央に設置する両面タイプ(2列)の栽培棚があります。栽培棚のメーカーや自作する場合の使用する材料にもよりますが、高さ約190㎝、幅約150㎝、奥行は片面タイプが約25㎝、両面タイプが約50㎝です。片面タイプの場合1つの栽培棚に40個、両面タイプの栽培棚に80個を設置することが可能です。
栽培棚の設置数は、20フィートのリーファーコンテナの場合は片面タイプが4台と両面タイプが2台、40フィートのリーファーコンテナの場合は片面タイプが12台と両面タイプが5台です。通路の間隔を狭めることで、より多くの菌床を設置する方もいらっしゃいます。

●散水装置
きくらげは他のきのこに比べて多くの水分を必要とします。そのため、散水装置を使用し定期的にきくらげに水をかけ、乾燥を防ぐ必要があります。散水装置は、ノズルをリーファーコンテナの上部に設置し、1回あたり約10分間を1日約5~6回噴射します。

●加湿器
きくらげが生育するには、湿度を90%以上に保つ必要があるため加湿器の設置が必須です。中でも超音波式は、粒子が細かいため効率よく加湿できるためおすすめです。効率よく加湿するためには粒子の細かい超音波加湿がおすすめです。床が濡れにくいというメリットもあります。

●湿度コントローラ
加湿器をコントロールして自動で湿度を調整します。

●エアコン
リーファーコンテナ内をきくらげ栽培に適した20~25℃の温度に保つためエアコンを使用します。湿度が高い環境に設置するため、耐湿構造のモデルがおすすめです。

●熱交換器
きのこは酸素を吸って二酸化炭素を出すため、定期的に換気が必要です。換気を行う際に、外気とリーファーコンテナ内の温度に大きな差があると、生育不良を起こす原因にもなります。熱交換器は、外気とリーファーコンテナ内の温度差を利用して、効率よく熱を移動させるための機器です。エアコンの負荷も減らして空調費用を節約できます。換気扇で換気行うことも可能ですが、外気温との差によりリーファーコンテナ内の環境が極端に変わってしまい、生育に悪影響を及ぼす可能性があります。また、エアコンにも負荷がかかり、空調費用の高騰につながります。

また、必須ではありませんが、CO2コントローラを導入すると収量アップや品質アップが見込めます。CO2コントローラは、コンテナ内のCO2濃度を測定し、リーファーコンテナ内のCO₂濃度を保ちます。熱交換器と連動させると効果的です。


ニッポーではリーファーコンテナと栽培機器をトータルで導入することが可能で、きのこ栽培をトータルサポートした実績があります。ニッポーのYouTubeチャンネルでは、リーファーコンテナを使用したきくらげの栽培現場をご紹介しています。ぜひご覧ください。


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きくらげの栽培現場をご紹介



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