LEDの発光原理とは?色が変わる仕組みと構造を解説

2023/06/23

コラム

LEDは、照明器具、家電の表示ランプ、信号機、自動ドアのセンサ、バーコードリーダなど私たちの身の回りのあらゆる機器に利用されています。特に一般照明はほとんどLEDに置き換えられ、私たちの生活に欠かせない存在といっても過言ではありません。イルミネーションやライトアップにおいても、LED光の色彩は景観を見事に演出しています。
今回は、LEDの発光原理や色表現する方法を中心に解説します。

LEDとは?

「LED」とは、電気を流して発光させる半導体素子をいいます。LEDは英語の「Light Emitting Diode」の略です。日本語では「発光ダイオード」とも呼ばれています。
消費電力が少ない、寿命が長い、紫外線や赤外線を含まない、発熱ダメージが少ない、温度が低い環境でもすぐに点灯する、水銀などを含まないなどの理由からLEDを使用した照明器具が普及し始めています。

LEDの発光原理


LEDは、性質の異なる「p型半導体」と「n型半導体」を接合したものです。 p型半導体は、正孔(プラスの性質をもちホールとも呼ばれる)が多くあり、n型半導体は電子(マイナスの性質をもつ)が多くあります。

LEDの発光原理の流れは、次のとおりです。



①LEDに順方向の電圧をかける。
②電圧をかけるとLED内の「正孔」が「n型半導体」側へ動き、「電子」が「p型半導体」側へ向かって動く。
③p型半導体とn型半導体の接合箇所で正孔と電子が結合し、光エネルギーが発生することでLEDが光る。

このようにLEDの発光は半導体の中で電気エネルギーが直接光になる仕組みです。

色の表現方法


LEDが発する光の色は、LEDを構成する半導体材料によって異なります。各半導体に使用されている材料はGa(ガリウム)、N(窒素)、 In(インジウム)、Al(アルミニウム)、P(リン)などの化合物です。各化合物によって発生させることができる光の波長が違うため、化合物を組み合わせて色を表現しています。

以下に、発光色と使用される代表的な半導体材料(化合物)を示します。


なお、同じ化合物半導体で発光色が異なるのは元素の比率の違いです。例えば、GaAsP(ガリウムヒ素リン)では、As(ヒ素)とP(リン)の比率を変えることで橙(だいだい)色から黄色までの発光色が得られます。

白色を表現する場合は、様々な色のLEDや光を当てた時に発光する物質である「蛍光体」を組み合わせます。白色を表現するには以下のような方法があります。


●赤色LED+緑色LED+青色LED

「光の三原色」である、赤色、緑色、青色のLEDから発生する光を組み合わせる方法です。主にモニターを出力する際などに使用される表現方法です。


●近紫外線LED+赤色蛍光体+緑色蛍光体+青色蛍光体

近紫外線のLEDと3色の蛍光体を組み合わせる方法です。キレイな白色を表現できますが明るさが弱いことが課題です。


●青色LED+黄色蛍光体

青色の補色である黄色の蛍光体を組み合わせる方法です。発光効率が高いといわれている表現方法です。



ニッポーでは、電気・電子回路の設計からプリント基板の設計、制御システムの構築まで幅広く対応しています。多数の実績と豊富な経験を通して培った独自のノウハウを駆使して、お客さまのご要望に合わせた的確なご提案が可能です。詳細を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。



お電話でのお問い合わせ

0120-963-166

携帯電話からは048-255-0066