【きのこ栽培上級者編】施設内の温度ムラを解消する方法

2022/01/21

きのこ栽培システム

近年、新規ビジネスや副業として注目されている「きのこの菌床栽培」ですが、屋外で行われる原木栽培とは違いビニールハウスやコンテナ、工場など栽培環境を整えた施設で行われます。
栽培室は空調設備や加湿器、換気装置などが設置され自動で温度、湿度、CO₂濃度などが管理されていますが、同じ栽培室内でも場所により生育に差が出てしまうことがあります。それは“栽培室内の温度ムラ”が原因かも知れません。今回は温度ムラが起きる原因と、その解消方法をご紹介します。

きのこ栽培は温度管理が重要


安定した品質、収量を維持するために大切なのが温度の管理です。特に菌糸を培養する工程で生育温度を保てないと、培養日数が長くなってしまうことがあります。また、培養時に温度や湿度などの“環境差”をつけることできのこを発生させるため、温度管理が不十分だと品質の低下や収量の減少など、多くのトラブルを招く可能性があります。

温度ムラが発生する原因

▲(写真提供)七会きのこセンター様


ではなぜ、栽培室内の場所によって温度ムラが発生するのでしょうか?原因は“暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ移動する性質”があるためです。実際に栽培棚の下段、上段では3℃以上の温度差があることも。温度ムラを解消せず栽培を続けると、きのこの成長にも大きな差が生まれ、収穫時期や収量のムラにもつながります。

温度ムラを解消する方法


夏場は栽培室の天井付近を冷やすことで温度ムラを減らし、効率良く冷房することができます。反対に、冬場は床から栽培棚付近を暖めると温度ムラが少なく、効率の良い暖房ができます。床暖房は下から暖めるため理想的な暖房設備ですが、導入コストが高いという難点があります。そのため、栽培棚の下に小さな穴を開けたビニールダクトを設置し、温風を送り込む方法がおすすめです。温度ムラを減らすことができます。


他にも、循環扇、天井扇を使って室内の空気を循環させたり、ファン付きのパイプを上下方向に走らせ、上下の空気を循環させる方法があります。この時、風が直接菌床へ当たってしまうと菌床が乾燥してしまい、生育不良や収量減少の原因になるため、設置する場所や風の向き、風の強さには注意が必要です。 温度管理は安定した品質、収量を維持するために重要なポイントです。まずは栽培室内に温度ムラが無いかをチェックしてみましょう。

弊社では舞茸、エリンギ、椎茸などの栽培経験を持つスタッフがお客様からのご相談にお応えします。もっと詳しく聞いてみたい方はお気軽にお問い合せください。



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