きのこの販売方法と売り上げを向上させる3つのポイント

2026/01/29

コラム

きのこ農家として売り上げを伸ばすには、栽培だけでなく、収穫後の販売設計を先に決めておくことが重要です。
新規就農では栽培に集中するほど販売準備が後回しになり、収穫してから慌てて売り先を探して、値下げや売れ残りが起こりやすくなります。この記事では、菌床栽培のきのこを中心に、実行しやすい販売方法を整理して紹介します。

新規就農者がつまずきやすい販売の現状


きのこは需要がある一方で、販売先が少ないと相場の影響を受けやすく、手元に残る利益が小さくなりがちです。
例えば販売所や道の駅では、しいたけやしめじなど同じ品目が並びやすく、他の生産者の商品に埋もれると売れ残りや値下げにつながります。出荷には袋詰めの形やラベル表示、納品時間など販売ルールもあり、準備が整わないと出荷自体が進みにくくなります。

ネット通販は販路を広げられる反面、梱包や発送、問い合わせ対応まで含めた運用イメージが持てず、開始を先送りにしてしまうケースも見られます。
また、毎日の生産量や品質にばらつきが出ると納品量が読みづらくなります。その結果、売れ残りや値下げが増え、売り上げが安定しにくくなります。

売り上げが伸びにくい理由と背景


売り上げが伸びにくい背景には、販売の設計が後回しになりやすい構造があります。

1つ目は、販路が1本に偏りやすいことです。
販売所だけ、ネット通販だけでは、来客数や注文数の波を吸収できません。

2つ目は、売り場で比較されたときの違いが伝わりにくいことです。
道の駅や販売所では同じ品目が並ぶため、表示や説明が弱いと価格で比較されやすくなります。

3つ目は、規格外や余剰分の出口がないことです。
きのこは鮮度が重要なため、売れ残りがそのまま損失になります。また、菌床の状態や種菌の管理、おがくず培地の仕込みが安定しないと、収量や品質がぶれやすくなります。
収量や品質のぶれは、結果として販売の信頼にも影響します。

売り上げを上げる3つの実践ポイント


ポイント1:販路を「販売所・道の駅・ネット通販」の3本で持つ

最初に近くで売れる場所を作り、次に遠くへ売る方法を足します。

販売所と道の駅は基盤として登録し、出荷できる状態を作ります。ネット通販は単品よりもセット販売から始めると作りやすいです。例えば複数のきのこを鍋用や炒め物用にまとめると、購入判断が早くなります。

ポイント2:販売所で選ばれるように「規格と表示・説明」を整える

袋やパックにきのこ名を大きく表示し、食べ方を一言添えましょう。収穫日や生産者名も明確にします。
菌床しいたけはサイズやカサの開き具合で規格を分けると効果的です。えのきたけ、ぶなしめじ、エリンギなどの定番きのこは、新鮮で使いやすいことが選ばれる理由になります。

さらに収穫後の鮮度管理や栽培のこだわりなど、強みが伝わる一言を添えると差別化につながります。

ポイント3:加工所を活用しロスを減らして単価を上げる

加工品は販売の安定化に有効ですが、自社で設備を用意して許可を取るのは負担が大きくなります。そこで、加工所に委託したり、加工所へ原料を納品して商品化してもらう方法が現実的です。
えのきたけをもとに作られるなめ茸は定番の加工品で、規格外や余剰分を回せば廃棄を減らし、販売期間も伸ばせます。

そのほか、差別化として「珍しい」きのこを少量栽培し、専門店や飲食店への提案材料にする方法もあります。珍しいきのこは、いきなり主力にするのではなく、試験的に少量だけ育てる進め方が現実的です。

例えばタモギタケやハナビラタケなど、一般のスーパーでは見かけにくい品目は、見た目や食感の違いを説明しやすく、試食やレシピ提案とも相性が良いです。こうした品目は知名度アップにつながりやすく、新たな販売先へ営業する際の話題としても使えます。

きのこ農家として売り上げを伸ばすには、
①販売所・道の駅・ネット通販の3本で販路を作ること
②販売所で選ばれる表示と説明を整えること
③加工所を活用してなめ茸などの加工品を持ち、ロスを減らして単価を上げることが重要です。

まず近くの販路で土台を作り、次にネット通販で広げ、最後に加工で安定させる順序にすると、負担を増やしすぎずに進められます。

▼関連記事
▼関連資料