ビニールハウスの換気を自動化するメリットと必要な機材とは?

2023/04/11

農業用コントローラ

ビニールハウスはハウス内の農地を外部と遮断し内部環境をコントロールすることで、作物に適した気象条件を人工的に整えることが出来ます。ビニールハウスの環境を一定に保つためには、状況に合わせて換気することが重要ですが、手動で行う場合、時間と労力がかかります。
そこで今回は、ビニールハウスの換気を自動化するメリットと必要な機材について解説します。

ビニールハウスを換気する必要性

ビニールハウスは、換気によって温度や湿度の調整、二酸化炭素の補給をします。その中でも最も重要なのは温度の調整です。ハウス内の温度が上がり過ぎると、高温障害や病気・害虫が発生しやすくなります。また、農作業中に熱中症を起こす可能性もあります。

なお、換気は外の空気を取り入れるだけなので、外気より温度を下げることができません。日射を和らげる遮光カーテンを設置することで、ハウス内の温度上昇を調整できます。

ビニールハウスの換気方法

換気の方法には、大きく分けて「自然換気」と「強制換気」があります。



自然換気


自然換気とは、換気窓、扉を開放する、パイプでハウス側面のフィルムを巻き上げるなど、外風の圧力やハウス内外の温度差によって自然に生じる力を利用する換気方法です。自然の力を利用するため電気代などのランニングコストはかかりませんが、換気できる量が環境に左右されます。また、解放部が多いため害虫の防除にも気を遣う必要があります。



●フィルムの巻き上げによる換気

フィルムの巻き上げ機には手動と電動のものがあります。
手動の巻き上げ機は、パイプに接続したハンドルを手動で回し、フィルムを巻き取ることでビニールハウスの側面を開けます。手動タイプは価格が安いため、単棟ハウスでよく導入されています。電動タイプは、モーターでパイプを回転させてフィルムを巻き上げます。なお、病害虫防除のため、側面の開口部には防虫ネットを設置しましょう。



●換気窓の開閉による換気

ビニールハウスの屋根の一部に天窓を取り付けたり、ビニールハウスの妻面に換気窓を取り付け開閉させることにより換気を行います。換気窓は、農業資材のメーカーが販売している窓枠セットを取り付けることで、簡単に換気が行えます。また、構造が簡単なため窓枠を自作することも可能です。



強制換気


強制換気とは、換気扇などを用いてハウス内の空気を強制的に入れ替える方法です。自然換気よりも換気量が確保できる反面、設置する位置やサイズを間違うと急な温度変化の原因となります。また、設置するための初期投資と、電気代などのランニングコストが必要になります。
※既存の資材も使用できるものは撤去せず、うまく組み合わせることで自動化にかかる価格を抑えることが出来ます。



●換気扇による換気

農業用の換気扇は、出力が200~750W程度の電動のものが多く導入されていますが、導入コストやランニングコストとして電気代がかかるのがデメリットです。一部の製品には、自然の風を利用して自動で換気できる無動力タイプのものがあり電気代がかかりません。

自然換気と強制換気に共通する課題として、作物に合わせて環境を緩やかにコントロールするために、窓の開閉や換気扇のON/OFFを細かく調整する必要がある点があげられます。中には自作の開閉装置や巻き上げ機を作成して作業を効率化する方もいますが、それなりの知識や経験がないと難しい面があります。

ビニールハウスの換気を自動化するのに必要な機材


最近では、センサーを利用して天窓や換気窓の開閉を自動化する装置が開発されています。
システムの自動化に必要な機材は、ビニールハウス側面のフィルムを巻き上げるパイプを回転させるモーターと、温度・湿度・気圧センサー、コントローラです。また、クラウドサービスに接続することで、離れていても各センサーの数値を確認し、遠隔で管理や操作できる装置もあります。

ビニールハウスの換気の自動化にはコストがかかりますが、換気作業は機械に任せて他の作業に時間を使うことが出来るというメリットがあります。また、作物に最適な環境を作ることは収量向上にもつながるため、換気の自動化を検討してみてはいかがでしょうか?



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