ヒラタケ栽培農家になるために必要な知識と機材。納入事例もご紹介
2025/06/11
コラム

ヒラタケは、植菌から約45〜60日で初収穫が可能で、栽培の自由度も高いため、小規模農家から法人農場まで幅広く取り組まれている作物です。とはいえ「菌床を買って湿度を保てばいい」という単純な話ではなく、成功するためには設備面の整備や基礎知識の理解が不可欠です。本記事では、ヒラタケ栽培の失敗事例と対策を踏まえつつ、実際に使用されている専用機器についても具体的にご紹介します。
ヒラタケ栽培の基本と失敗しやすいポイント
ヒラタケは、きのこの中でも比較的育てやすく、安定した需要があることから、新規就農者にも人気のある品目です。しかし、温度・湿度・換気など、いくつかのポイントを押さえておかないと失敗につながる可能性もあります。
ヒラタケ栽培は基本的に「植菌」「培養」「発生」「収穫」という4つのステップで進みます。まず適した菌床を選び、丁寧に植菌作業を行います。なめこなどと比べても、ヒラタケは種菌の活着が早いですが、植菌時の雑菌混入には注意が必要です。その後、一定期間の培養を経て発生段階へと移行します。この発生期には温度・湿度・二酸化炭素濃度(CO₂)の細やかな管理が成功の鍵を握ります。
発生のコツは、時期に合わせた環境管理にあります。たとえば、湿度が90%を下回ると菌糸の成長が阻害されて発生不良を招いてしまいますし、逆に高すぎると雑菌やカビの繁殖原因になります。また、CO₂濃度が1,000ppmを超える環境ではヒラタケの形状が悪くなり、収穫時の品質に影響します。
よくある失敗例として、「発生室の湿度が日によって大きく変動する」「換気しすぎて室温が急降下してしまう」といったものが挙げられます。こうしたトラブルは、適切な設備導入と日々の管理方法の見直しによって防ぐことが可能です。
適切な環境制御の重要性と設備導入の必要性

ヒラタケの発生や品質に直結するのが「温度」「湿度」「換気(CO₂)」といった環境因子です。これらを自然任せで安定させるのは困難であり、季節や天候によって環境が不安定になると、生育にも大きなムラが生じてしまいます。
そのため、現在では多くの農家が専用の設備を導入して、人工的に温湿度や炭酸ガス濃度を管理し最適な環境を保っています。
ヒラタケ栽培に役立つ4つの専用設備のご紹介
ヒラタケ栽培において導入されている代表的な設備を、具体的にご紹介していきます。
超音波加湿器「霧風 FOG6」

非常に微細な霧をムラなく噴霧できるため、棚の隙間や奥までしっかり加湿できます。霧が菌床を濡らしすぎることもなく、カビの発生リスクを低減します。自動給水・自動洗浄機能も備え、安定稼働と簡単なメンテナンスを両立します。
湿度調節器「DG3000hu」「HCシリーズ」

デジタル方式の「DG3000hu」は、LEDを採用した大きくて見やすいデジタル表示画面で、赤と緑の二色で表示します。
アナログ方式の「HCシリーズ」は、アナログメーターで直感的に湿度を確認でき、つまみ操作だけで設定できます。
どちらの湿度調節器も、超音波加湿器と連動させることで、目標湿度を自動的に維持できます。高精度の乾湿球センサを搭載しており、厳しい環境下でも安定した湿度管理が可能です。
※「DG3000hu」は用途に応じて「乾湿球センサ」または「高分子センサ」を選択可能です。
熱交換器「涼風(すずかぜ)」

換気時の外気による温度変化を抑え、排気熱を有効活用して外気を室温に近づけて取り入れることができます。空調機の負担を軽減し、電気代削減にもつながります。工具なしで水洗いできるメンテナンス性も魅力です。
CO₂コントローラ「CO₂NAVI」

CO₂濃度をリアルタイムで測定・制御し、ムダな換気を抑制します。時間帯ごとの濃度設定や熱交換器との連携も可能で、省エネと品質管理を両立できます。
ヒラタケ栽培は、環境条件さえきちんと整えれば、比較的安定して生産できる作物です。加湿・湿度管理・換気・空調といった各ポイントを専用機器で自動制御することで、人為的なミスや環境変動によるリスクを大きく減らすことができます。これからヒラタケ栽培に挑戦しようと考えている方は、初期投資としてこれらの設備導入もぜひご検討ください。最適な機材のご提案や資料をご希望の際は、お気軽にお問い合わせください。