きのこ栽培に使える湿度計の選び方と適切な設置方法

2024/05/30

きのこ栽培システム

きのこ栽培において、湿度管理は極めて重要な要素です。きのこは湿度90%以上の環境で生育しますが、適切な湿度が保たれていない場合、成長が阻害されたり品質が落ちたりすることがあります。この記事では湿度管理に必要な「湿度計」についてご紹介します。

湿度計はセンサー選びが重要

湿度センサーは、大別して「伸縮式」「電子式」「乾湿球式」の3種類あります。
湿度計の精度と機能性は、使用されるセンサーの種類に依存します。特に、きのこ栽培室は高湿度環境のため、壊れにくく精度の高いセンサーを選ぶことが重要です。
ここからは、主流である「電子式」と「乾湿球式」のセンサーについてご紹介します。

「電子式」メンテナンスが簡単な高分子センサー

高分子センサーは、合成高分子材料を利用して湿度を測定する仕組みになっています。このタイプのセンサーは、湿度が高分子材料の物理的な状態を変化させることによって測定を行うため、非常に精巧な設計がされています。一般的な清掃と校正だけで長期間安定した性能を維持できることが大きなメリットです。ただし、極端な温度変化には弱い点があり、使用環境をある程度制御する必要があります。

「乾湿球式」高湿度環境に強く精度が高い乾湿球センサー

乾湿球センサーは、2本の温度センサーを用いて湿度を測定します。1本は湿った布で覆われ、もう1本は露出した状態です。空気が乾燥しているほど、湿らせた布の水分が蒸発し、気化熱により、温度が下がります。この時、何も付いていない温度センサ(乾球)と、湿らせた布で覆われた温度センサ(湿球)の温度差から湿度を導き出します。
この方法の最大のメリットは、その高い精度と信頼性です。デメリットは、無風の場合や気温が0℃以下の場合は測定に影響が出ること。また、常に湿った布の状態を保つために定期的な水入れや、布の交換が必要です。

きのこ栽培室は常に90%以上の高湿度環境のため、高分子センサーを使用する場合、壊れやすい、寿命が短いと感じることもあります。そのためニッポーでは、高湿度環境に強い乾湿球センサーの採用を推奨しています。

乾湿球センサーはファンの有無で精度が変わる

乾湿球センサーの湿球側は、気化熱を利用しているため、正確に測定するためには3m/s以上の風速が必要になります。

●ポイント

1)水質にも寄りますが、1カ月に1回ほど水が切れていないか、ガーゼが汚れていないか点検すると良いでしょう。
2)センサーに布を巻く際、グルグル巻きすぎないように注意しましょう。気化熱が発生しづらくなります。センサーの金属部が薄く見えるくらいがベストです。また、センサーの先端まで巻くことで、正しい測定ができます。

湿度計の適切な設置方法

湿度計は栽培室中央の壁に設置しましょう。出入口に近いとドアの開閉時に外気の影響を受けたり、通路の湿度を測定してしまう恐れがあります。栽培棚がキャスター付きの場合、動かす度に取り付けることになってしまうため、固定できる壁面が良いでしょう。
また、乾湿球センサーは水入れやガーゼの交換など定期的なメンテナンスがあるため、手が届きやすい床から1mほどの高さに設置することが推奨です。

湿度管理はきのこ栽培において不可欠です。センサーの選定にも注意を払い、栽培のニーズに最も合ったものを選ぶことが重要です。正しい機器の選択と管理方法が、効果的なきのこ栽培を実現します。ニッポーでは高湿度環境でも壊れにくいきのこ栽培用機器を製造・販売しております。メンテナンスが簡単な高分子センサーと高精度の乾湿球センサー両方を取り扱っています。機器の選定についてご不明な場合、弊社の営業担当がサポートさせて頂きますのでお気軽にご相談ください。

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