フロートスイッチの仕組み~使い方から導入事例まで~

2022/12/19

ODM基板開発

「フロートスイッチ」は、構造がシンプルなことからマンション、ビル、工場など多くの場所で用いられています。例えば、生活に必要な水を貯めておく、貯水槽(貯水タンク)に設置されており、適切な水位を保つために重要な働きをしているのが、フロートスイッチです。
そこで、この記事ではフロートスイッチの概要、動作の仕組みや使用方法、維持・管理・メンテナンス、導入事例までをご紹介します。

フロートスイッチとは?

「フロートスイッチ」とは、液体の液面に浮かべた浮き球(浮き玉、フロート)が、液面レベル(液位)の変化に応じて作動するレベルスイッチのひとつです。フロートスイッチは、フロート式レベルスイッチ、フロート式レベルセンサー、浮きスイッチと呼ばれることもあります。

フロートスイッチの動作の仕組み


フロートスイッチの動作と仕組みについて、もう少し詳しくみていきましょう。
一般的にフロートスイッチは、フロート(浮き球)とステム(芯棒)、ストッパーで構成され、ステムの中に磁力によってON/OFFするリードスイッチを備えています。
フロートの中に磁石が入っておりフロートがリードスイッチに近づくとリードスイッチの接点が閉じ、電気回路は導通します。反対にフロート(浮き球)がリードスイッチから離れるとリードスイッチの接点は開し、電気回路は遮断されます。
液面の変位に応じて上下するフロートの位置を、リードスイッチを使って検出することでタンク内の水位を検知することができます。

フロートスイッチの中には複数のフロート、リードスイッチが一体化し、より細かな液面の変位を検出できる製品もあります。


液面の検出にはフロート式の他に超音波式、光学式、静電容量式などがありますが、フロートスイッチは、構造が簡単なため取り扱いが容易で、比較的低コストで製造でき、耐久性も高いのが特徴です。


フロートスイッチの使い方


フロートスイッチはタンクの底面または上面にステムを固定し、リードスイッチから引き出した電線へ結線し、この電気信号を使って水中ポンプやバルブを制御します。
給水システムの場合、下限水位になると給水ポンプを運転し、上限水位まで水位が上がると給水ポンプを停止するように配線します。

最近では遠隔地にあるタンクの水位をWebサーバーを介して遠隔でモニター出来るサービスなどもあり、わざわざ現地に出向かなくても、事務所などからタンクの状態を把握することができます。

フロートスイッチの維持・管理・メンテナンス


フロートスイッチは、長期間使用しているとリードスイッチの摩耗や、ステム、フロートへ付着物が堆積し正常に機能しなくなる場合があります。
フロートスイッチを水中ポンプとともに使用しているときには、タンク内の水位を正常に保てなくなり、「水があふれる」「必要な量の水をためておけない」といった問題が発生します。そこで、給水設備は定期的に点検、清掃を行い、タンク内の水位が正常に制御されているかどうかを確かめる必要があります。フロートスイッチの点検は人為的にフロートを上下させポンプやバルブと連動し正常に動作するか確認をします。

フロートスイッチの本体は耐久性が高くても、配線(電線)が湿気の影響により腐食することがあります。こうした配線の腐食も故障の原因になるため、劣化や腐食が見られた場合は交換が必要です。

フロートスイッチの導入事例

フロートスイッチは貯水槽だけではなく、家電、工作機など幅広い製品に使用されています。



エアコン


エアコンの室内機側には結露をした水を受ける皿(ドレンパン)があり、ドレンパンの水位検知にフロートスイッチが使用されています。エアコンを使用していたら、「ドレン異常」というエラーが出た、という経験はないでしょうか。このエラーを検出しているのが、フロートスイッチです。
結露した水が上手く排出されずドレンパンの水位が上昇すると、フロートスイッチが作動してエラーメッセージを出し、エアコンを停止させます。




ファンヒーター


ファンヒーターの燃料の有無をフロートスイッチで検知します。固定側のタンクに固定され燃料が無くなるとランプやブザーで知らせ、運転を止めます。




フロートスイッチは、私たちの生活の中で欠かせない重要な役割を果たしており、様々なメーカーから販売されています。導入を検討されている方は、目的や用途、メンテナンス方法を見定めたうえで、製品を選ぶ様にしましょう。
弊社ではこうした技術を応用し、様々な分野での開発を承っております。より詳しく聞いてみたい方はお気軽にお問い合わせください。

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