潅水チューブの選び方~種類と使い方をわかりやすく解説~

2022/12/23

農業用コントローラ

施設栽培の水やりに潅水チューブを使うメリットとして作業の省力化、収量の安定化、作物の病害虫予防などがあげられます。さまざまな種類があるため、基本的な使い方を理解したうえで適切な商品を選びたいものです。この記事では潅水チューブを選ぶ際に確認するべき項目について解説します。

施設栽培の潅水方法

潅水チューブを使った施設栽培の潅水方法は、チューブを畝の間に敷設して行う地表潅水と、ハウスの棟下にチューブを設置し作物の上から散水する頭上潅水(葉上散水)に大別できます。

また、潅水チューブからの給水形態として以下の種類があります。

  • 散水潅水
    吐出孔から水を噴出させて散水するもの
  • 噴霧潅水
    霧状の水を噴出するもの
  • 点滴潅水
    点滴状にゆっくりと水を吐出するもの

潅水チューブを使った地表潅水


地表潅水で用いられる潅水チューブは穿孔(穴)の大きさと位置、水圧によって、水の粒子の大きさと散水する範囲が異なります。他の潅水方法に比べ、簡単に設置ができるため、導入しやすいのが特徴です。
点滴潅水は畝間の地表面に潅水チューブを敷設するものと地中に埋設するものがあり、チューブから水が染み出す形で潅水を行います。
また、ハウス内の多湿を抑え、作物の病害を防ぐことができる点やチューブの始端と終端の潅水ムラが少ない点がメリットですが、若干割高になることがデメリットです。


潅水チューブを使った頭上潅水


頭上潅水はハウスのパイプや誘引線などに潅水チューブを固定し、水平方向に水を噴出させるものが一般的です。 頭上潅水は水滴が大きいと土を削り固結させてしまうケースがあるため、粒子の細かい水滴を噴出させる潅水チューブが適しています。霧状の潅水は、夏期のハウス内の冷却や飽差の調整などにも効果を発揮します。


潅水チューブを選ぶ際の確認事項


潅水チューブはポリエチレン製のフィルムを貼り合わせたものが一般的で、テープ状に巻き取られた状態で販売されています。メーカーによって異なりますが、水を通していない状態の折径と水を通したときの内径、散水孔の間隔などが基本的な製品の仕様であり、巻長は100〜1000mものなど幅広くあります。このほかに潅水できる水量と散水の形態などが選ぶ際の基準となります。ここからは、潅水チューブを選ぶ際に確認するべき項目をご紹介します。



水圧・散水量・潅水幅

潅水チューブは薄いフィルム状の素材でできており塩ビパイプのような強度はないため、チューブにかけることができる圧力が定められています。0.1〜0.3MPa程度が一般的であり、規定以上の水圧をかけると破れることもあるので注意が必要です。また、水圧によって潅水量と潅水幅を調整することも可能です。



散水孔の間隔・列・数・角度・両面・片面

製品によっては記載されていない場合もありますが、潅水チューブから水が吐出する孔の列数や間隔、角度によって散水の範囲が決まるため、作物の種類や作付けの状態に合わせて、散水の範囲とともに水の吐出の仕方、直接水の当たる場所を確認しておく必要があります。



関連部材

潅水システムを作るにはチューブのほか、ポンプや水道と接続するための継手やチューブ終端を塞ぐためのストッパー、止水と圧力調整のためのバルブやコックといった部品・部材も組合せて設置します。

薄く柔らかい潅水チューブは畝間に敷設するだけで簡単に潅水できることが利点であり、移動や収納にも手間がかかりませんが、その際に用意しておきたいのが巻き取り機です。収納、敷設作業が楽になるため、用意しておきたい資材のひとつです。



●導入後の注意点

潅水チューブの吐出孔は微小なため目詰まりを起こすことがあります。そのため、終端のストッパーを外して水を流すといったメンテナンス作業が重要です。目詰まりを起こさないためにもフィルタなどの部品も定期的に掃除をしましょう。



潅水チューブを活用することで水やりの手間と時間を大幅に削減できます。栽培方法や作物に合わせ、自分の圃場にあった潅水チューブを選んでみましょう。
弊社では、潅水コントローラだけでなく、潅水チューブの取り扱いも行っています。導入を検討されている方はぜひお問い合わせください。



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